障害児通所支援事業の指定申請について
障害児通所支援を行う事業者は、児童福祉法の規定に基づき、事業所が所在する都道府県知事の指定を受ける必要があります。
ここでは障害児通所支援事業の指定を受けるために必要な要件等について説明します。
障害児通所支援の種類
種類 | 概要 |
児童発達支援 (児発) |
日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援 |
医療型児童発達支援 (医児) |
児童発達支援および治療 |
放課後等デイサービス (放デ) |
生活能力の向上のために必要な訓練、社会との交流の促進その他必要な支援 |
居宅訪問型児童発達支援 (居訪) |
居宅を訪問して行う日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、その他必要な支援 |
保育所等訪問支援 (保訪) |
保育所等を訪問して行う障害児以外の児童との集団生活への適応のための専門的な支援その他必要な支援 |
指定の要件
障害児通所支援事業者の指定を受けるためには、次の要件をすべて満たしている必要があります。
- 申請者が法人格を有していること。
- 事業の従業者の知識及び技術並びに人員が指定基準を満たしていること。
※人員基準、資格要件については後述します。 - 事業所の設備や運営が指定基準を満たしていること。
- 児童福祉法第21条の5の15第2項各号に掲げる欠格事項に該当しないこと。
障害児通所支援事業の指定基準
指定の対象となる障害児通所支援事業の種類ごとに人員・設備等の指定基準をまとめました。
児童発達支援
児童発達支援(自動発達支援センター以外) | |||
人員基準 | 従業者 | 児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者 | 指定児童発達支援の単位ごとにその提供を行う時間帯を通じて専ら当該指定児童発達支援の提供に当たる児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の合計数が以下の必要数以上(1人以上は常勤) ・障害児の数が10までのもの 2人以上 ・障害児の数が10を超えるもの 2人に障害児の数が10を超えて5または端数を増すごとに1人を加えた数以上 ・2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の数は、児童指導員および保育士の数を超えてはならない |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上(うち1人は専任かつ常勤) | ||
機能訓練担当職員 | 機能訓練を行う場合に必要数を配置 ・職種:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員(配置した場合、児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の合計数に含めることができる。) |
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管理者 | 原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの (業務に支障がない場合は、児童発達支援管理責任者など他の職種との兼務可) |
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設備基準 | ・指導訓練室には、訓練に必要な機械器具等を備えること。 ・その他指定児童発達支援の提供に必要な設備および備品等を備えること |
児童発達支援センター
児童発達支援センター | |||
人員基準 | 従業者 | 嘱託医 | 1人以上 |
児童指導員および保育士 | ・総数 児童発達支援の単位ごとに当該支援を行う時間帯を通じて障害児の数を4で除して得た数以上 ・児童指導員 1人以上 ・保育士 1人以上 |
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栄養士 | ・1人以上(併設の他の社会福祉施設の職務との兼務可) ・40人以下の施設では置かなくても可 |
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調理員 | ・1人以上(併設の他の社会福祉施設の職務との兼務可) ・調理業務の全部を委託する場合には置かなくても可 |
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児童発達支援管理責任者 | 1人以上(専任) その他職員日常生活を営むのに必要な機能訓練を行う場合には、機能訓練担当職員の配置が必要 |
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機能訓練担当職員 | ・職種:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員(配置した場合、児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の合計数に含めることができる。) | ||
管理者 | 原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの (業務に支障がない場合は、児童発達支援管理責任者など他の職種との兼務可) |
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設備基準 | 指導訓練室 | ・定員はおおむね10人とすること。 ・障害児1人当たりの床面積は2.47 ㎡以上とすること。 ・主たる対象が重症心身障害児または難聴児の場合は、定員および床面積の要件は適用しない。 |
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遊戯室 | ・障害児1人当たりの床面積は1.65 ㎡以上とすること。 ・主たる対象が重症心身障害児または難聴児の場合は、床面積の要件は適用しない。 |
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屋外遊戯場、 医務室、相談室 |
主として重症心身障害児を通わせる場合は設けないことができる | ||
調理室、便所 | |||
静養室 | 主として知的障害のある児童を通わせる場合 | ||
聴力検査室 | 主として難聴児を通わせる場合 | ||
その他、指定児童発達支援の提供に必要な設備 |
医療型児童発達支援
医療型児童発達支援 | |||
人員基準 | 従業者 | 診療所として必要とされる従業者 | 医療法の診療所として必要とされる数 |
児童指導員 | 1人以上 | ||
保育士 | 1人以上 | ||
看護師 | 1人以上 | ||
理学療法士又は作業療法士 | 1人以上 | ||
児童発達支援管理責任者 | 1人以上 | ||
機能訓練担当職員 | 言語訓練等を行う場合 ・必要とされる数 |
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管理者 | 原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの (業務に支障がない場合は、児童発達支援管理責任者など他の職種との兼務可) |
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設備基準 | ・ 医療法の診療所として必要とされる設備 ・ 指導訓練室、屋外訓練場、相談室および調理室 ・ 浴室および便所の手すり等身体の機能の不自由を助ける設備 ・ 階段の傾斜を緩やかにすること |
放課後等デイサービス
放課後等デイサービス | |||
人員基準 | 従業者 | 児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者 | 指定放課後等デイサービスの単位ごとにその提供を行う時間帯を通じて専ら当該指定放課後等デイサービスの提供に当たる児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の合計数が以下の必要数以上(1人以上は常勤) ・障害児の数が10までのもの 2人以上 ・障害児の数が10を超えるもの 2人に障害児の数が10を超えて5または端数を増すごとに1人を加えた数以上 ・2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の数は、児童指導員および保育士の数を超えてはならない |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上(うち1人は専任かつ常勤) | ||
機能訓練担当職員 | 機能訓練を行う場合に必要数を配置 ・職種:理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理指導担当職員(配置した場合、児童指導員、保育士または2年以上障害福祉サービス事業に従事した者の合計数に含めることができる。) |
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管理者 | 原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの (業務に支障がない場合は、児童発達支援管理責任者など他の職種との兼務可) |
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設備基準 | ・ 指導訓練室には、訓練に必要な機械器具等を備えること。 ・ その他、指定放課後等デイサービスの提供に必要な設備および備品等を備えること。 |
居宅訪問型児童発達支援
居宅訪問型児童発達支援 | |||
人員基準 | 従業者 | 訪問支援員 | 訪問支援を行うために必要な数 ※理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、看護職員もしくは保育士の資格を取得後または児童指導員もしくは心理指導担当職員として配置された日以降、直接支 援の業務に3年以上従事した者 |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上(うち1人は当該事業所の職務に専任) | ||
管理者 | 原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの (業務に支障がない場合は、他の職種との兼務可) |
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設備基準 | ・ 事業運営に必要な広さの専用の区画を設けること。 ・ 専用の事務室を設けることが望ましい。ただし、間仕切りするなど他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。 ・ 利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保すること。 ・ その他、指定保育所等訪問支援の提供に必要な設備および備品等を備えること。特に手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮すること。 |
保育所等訪問支援
保育所等訪問支援 | |||
人員基準 | 従業者 | 訪問支援員 | 訪問支援を行うために必要な数 ※障害児支援に関する知識および相当の経験を有する児童指導員、保育士、理学療法士、作業療法士または心理担当職員等であって、集団生活への適応のため専 門的な支援の技術を有する者 |
児童発達支援管理責任者 | 1人以上(うち1人は当該事業所の職務に専任) | ||
管理者 | 原則として専ら当該事業所の管理業務に従事するもの (業務に支障がない場合は、他の職種との兼務可) |
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設備基準 | ・ 事業運営に必要な広さの専用の区画を設けること。 ・ 専用の事務室を設けることが望ましい。ただし、間仕切りするなど他の事業の用に供するものと明確に区分される場合は、他の事業と同一の事務室であっても差し支えない。 ・ 利用申込みの受付、相談等に対応するのに適切なスペースを確保すること。 ・ その他、指定保育所等訪問支援の提供に必要な設備および備品等を備えること。特に手指を洗浄するための設備等感染症予防に必要な設備等に配慮すること。 |
資格要件について
児童発達支援管理責任者
資格要件(研修修了要件と実務経験要件の両方を満たす者)
①研修修了要件
サービス管理責任者・児童発達支援管理責任者(以下、サビ児管)に関する研修を受講する必要があります。サビ児管基礎研修(前期:2日過程)+サビ児管基礎研修(後期:3日間)の計5日間の受講が必要です。(滋賀県での実施はそれぞれ年1回です)
※「サビ児管研修基礎研修(前期)」は、2019年度までに実施したサービス管理責任者等就任予定者対象研修(相談支援従事者初任者研修の講義部分)の名称を変更したものです。
※ 基礎研修(後期)を受講するためには、2019年度までに実施したサービス管理責任者等就任予定者対象研修または今年度より実施する基礎研修(前期)もしくは相談支援従事者初任者研修を修了する必要があります。
こちらの研修さえ受ければいいという訳ではございません。実務経験要件等も必要となりますので、ご注意ください。
滋賀県では、下記団体が委託を受けて実施しています。
滋賀県障害者自立支援協議会(ブログ)
②実務経験要件
実務経験については、児童発達支援管理責任者に就任する時点で、経験年数を満たしている必要があります。
業務内容 | 必要な従事期間 | ||
第1 相談支援業務 |
ア | 地域生活支援事業、障害児相談支援事業、身体障害者相談支援事業、知的障害者相談支援事業に従事する者 | 第3のセと通算して5年以上 かつ 赤字の業務を除き3年以上 |
イ | 児童相談所、児童家庭支援センター、 身体障害者更生相談所、精神障害者社会復帰施設、知的障害者更生相談所、福祉事務所、発達障害者支援センターに従事する者 | ||
ウ | 障害児入所施設、乳児院、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設、精神保健福祉センター、救護施設及び更生施設、介護老人保健施設、地域包括支援センターに従事する者 | ||
エ | 障害者職業センター、障害者就業・ 生活支援センターに従事する者 | ||
オ | 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校に従事する者 | ||
カ | 病院もしくは診療所に従事する者のうち、次のいずれかに該当する者 ①社会福祉主事任用資格者 ②訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者(介護福祉士を含む) ③ソに掲げる資格を有している者 ④アからオに掲げる従業者の期間が1年以上である者 |
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キ | その他これらの者に準ずると都道府県知事が認めた者 | ||
第2 直接支援業務 |
ク | 障害児入所施設、助産施設、乳児院、母子生活支援施設、保育所(利用定員が20人以上であるもの)、幼保連携型認定子ども園、児童厚生施設、児童家庭支援センター、児童養護施設、児童心理治療施設、児童自立支援施設、障害者支援施設、老人福祉施設、介護老人保健施設、病院又は診療所の病室であって療養病床に従事する者 | 10年以上 かつ 赤字の業務を除き3年以上 |
ケ | 障害児通所支援事業、児童自立生活援助事業、放課後児童健全育成事業、子育て短期支援事業、乳児家庭全戸訪問事業、養育支援訪問事業、地域子育て支援拠点事業、一時預かり事業、小規模住居型児童養育事業、家庭的保育事業、小規模保育事業、居宅訪問型保育事業、事業所内保育事業、病児保育事業、子育て援助活動支援事業、 障害福祉サービス事業、老人居宅介護等事業に従事する者 | ||
コ | 病院もしくは診療所又は薬局、訪問看護事業所に従事する者 | ||
サ | 特例子会社、重度障害者多数雇用事業所施設設置等助成金の支給を受けた事業所に従事する者 | ||
シ | 幼稚園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、高等専門学校に従事する者 | ||
ス | その他これらの者に準ずると都道府県知事が認めた者 | ||
第3 有資格者等 |
セ | ク~スの直接支援業務に従事する者で、次のいずれかに該当する者 ①社会福祉主事任用資格を有する者 ②訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者(介護福祉士を含む) ③児童指導員任用資格者 ④精神障害者社会復帰施設指導員任用資格者 ⑤保育士 |
第1と通算して5年以上 かつ 第2の赤字の業務を除き3年以上 |
ソ | 次の国家資格にかかる業務に5年以上従事している者で、かつ、ア~キの相談支援業務およびク~スの直接支援業務に従事する者 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む)、精神保健福祉士 |
第1および第2の赤字の業務を除き3年以上 |
第1 相談支援業務
身体上もしくは精神上の障害があること又は環境上の理由により日常生活を営むのに支障がある者の日常生活の自立に関する相談に応じ、助言、指導その他の支援を行う業務その他これに準ずる業務
第2 直接支援業務
身体上若しくは精神上の障害がある者につき、入浴、排せつ、食事その他の介護又は日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、生活能力向上のために必要な訓練その他の支援、並びにその訓練等に関する指導を行う業務を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行う業務その他職業訓練又は職業教育等に係る業務
※1年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事したに数が1年当たり180日以上あることをいうものとする。例えば5年以上の実務経験であれば、実務に従事した期間が5年以上であり、かつ業務に従事した日数が900日以上である者をいう。