1.産業廃棄物業の現状
産業廃棄物の許可件数は環境省の令和2年4月のデータで、滋賀県では「収集運搬(積替え・保管なし)」が3615件、「収集運搬(積替え・保管あり)」が39件となっており、「中間処理・最終処分業」の106件を大きく上回り、「収集運搬」の許可件数が多いことが分かります。また参考に「特別管理産業廃棄物・収集運搬(積替え・保管なし)」は349件となっております。
許可取得においては、産業廃棄物収集運搬業が多く、建設業や運搬業を行っている事業者が参入しています。
収集運搬業の許可は、産業廃棄物を積む場所と卸す場所の都道府県への個別の許可申請が必要となっています。
例えば京都府で積んで滋賀県へ卸すような可能性がある事業の場合、京都府と滋賀県の2か所への申請が必要となります。
産業廃棄物処理業は、基本的に許可の要件が整っていれば許可を出すことが原則となっており参入しやすい事業といえますが、対して一般廃棄物処理業(家庭ごみ等)は自治体の計画にのっとり、自治体が募集してる必要があり参入が難しくなっています。(基本的に募集されていません)
許可を受けるためには、以下4つの条件を満たしている必要があります。
(1)収集運搬の用に供する施設(2)講習会(3)経理的基礎(4)欠格要件に該当しないこと、の4つです。
※収集運搬における施設とは、運搬する車両や廃棄物を入れるドラム缶などを指します。
そして新規参入のために許可申請を終えても、産業廃棄物収集運搬業は5年ごとに更新があります。また、運搬車両の変更、取り扱う産業廃棄物の種類の変更があった場合は10日以内に変更届を出さなければなりません。
2.手続の流れ
滋賀県の場合、事前協議制がとられておりますので、講習会を修了し許可申請書、添付書類を準備し申請窓口に郵送します。添削や不備の連絡をFAXで受け、修正・再提出等行い事前協議が終了したら、来庁して滋賀県収入証紙を納付して正式申請となります。以下は、全体の流れとなります。
産業廃棄物収集運搬業(積替え・保管を含まない)許可申請の流れ | ||
講習会の修了 | 申請に先立ち、産業廃棄物処理業許可取得のための講習会を修了する必要があります。 | |
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許可申請書の提出 | 管轄の窓口機関に許可申請書を事業計画等審査願を添えて1部提出。 | |
↓ | 講習会の有効期限(5年)が過ぎている場合は受付不可となります。 | |
書類不備等の連絡 | FAX等で連絡が来ます。 | |
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補正書類等の提出等 | ||
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事前協議の修了 | 書類の補正等がすべて終了した時点で事前協議終了となります。 不備等なければ、提出から10日程でOKが出ます。 |
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申請 | 直接来庁して手数料(滋賀県収入証紙)を納付し、正式申請となります。 | |
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審査 | 欠格要件の確認等が行われます。 | |
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許可証等の交付 | 許可または更新許可に時間を要する場合がありますので、余裕を持った申請を。 申請から1ヵ月~3ヵ月程の時間を要します。 |
3.料金
最も申請数が多い産業廃棄物収集運搬業(積替え・保管なし)の許可申請についての、行政書士の申請書作成・提出補正代行の報酬と、審査手数料のまとめは下記のようになります。
産業廃棄物収集運搬業(積替え・保管を除く)の許可申請 |
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内容 | 新規許可申請 | 更新許可申請 | 変更許可申請 |
申請書作成・提出代行 (行政書士報酬) |
100,000円(税込) | 80,000円(税込) | 30,000円(税込) |
審査手数料 (滋賀県収入証紙貼付) |
81,000円 | 73,000円 | 71,000円 |
合計 | 181,000円 | 151,000円 | 101,000円 |
上記に加えて、産業廃棄物処理業許可申請のための講習会の費用31,000円(2日間)が必要となります。
講習会は近畿6府県で月1回程度、持ち回りで開催されています。日程的に遠方で受講する場合は、交通費等も必要になります。